東北の刺し子の紹介

刺し子とは、刺繍を施す事によって布を丈夫にすると同時に美しく装飾するという、
実用性とおしゃれを両立させたもので、その装飾性、表現の豊かさが最近注目を浴びています。

半纏(はんてん)、長着、もんぺなどによく使われており、防寒、補強などの意味があったと思われます。
東北では青森、秋田、山形など日本海側に多く存在し、各地方でいろいろな種類の刺し方が存在しています。
素材は木綿がほとんどですが、こぎん刺しや南部菱刺しなどは麻布を使用しています。

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典型的な秋田刺し子です。
秋田刺しは縦か横にまっすぐ縫ってあるものが多く、
あっさりとしています。
刺す時に生地をつまんで畝を作るので、
表面がボコボコしています。
使い込むとその畝の部分がこすれて味が出てきます。

東北でも地方によって独自の刺し方があり、
とても表現豊かです。
山を一つ越えると全く違う刺し方をしている感じです。

表裏、アップで写しました。
細かく縫ってあるのがわかると思います。



表側です。

こちらは裏側です。


これは、秋田県南部の本荘市周辺の青刺しの
長半纏(ながばんてん)です。

糸が青く染めてあります。
また平たくミシンのように刺してあるのも特徴で、
軽く着やすい刺し子です。




表側です。

こっちは裏側です。






雪がすりの刺し子


絵がすりの刺し子(コウモリの柄)






山形県の庄内刺し子です。
柿の花刺し、升刺し、杉の葉刺しなど、刺し子で模様を
作って刺してあるのが特徴です。

また畝がこすれて、模様部分が一部浮き出したように
なっています。
東北の人はこういう藍地がこすれて出来た味が
好きだったようです。



庄内刺し子の升刺しの部分

刺し子の足袋


山形県米沢の花ぞうきんです。
未完成品だと思いますが、みごとな刺繍です。





刺し子前掛け(前だれ)





これは絞りに刺し子をしたものです。
青森方面のものです。





これは裏地です。



青森のこぎん刺し子の長着です。
藍で染めた麻地に白い木綿糸で刺してあります。
織り目を数えて刺すので、非常に緻密な模様です。

また白糸の部分を藍で染める
「アバこぎん」というものもあります。